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ふしぎ体感!三浦鏝絵美術館

更新日:2016年12月28日

下大利ののどかな住宅街を歩いていると、突如現れる・・・龍?  そこには “鏝絵美術館” の看板が。

鏝絵?なんと読むのだろう。とにかく美術館ということなので中へ入ってみると、そこには巨大なレリーフ(浮き彫り)の絵や像が所狭しと展示され、迎えてくれます。

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とってもカラフルで独創的。そんな美しい世界に突如現れる、ユニークで不可思議なキャラクターの像たち。


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ここは一体何なんだろう?そして、ひときわ目立つところに展示されたある作品のキャプションには『ルーヴル美術館に展示されました』との記載が。

ルーヴル美術館!?というのは、あのパリの!?その時に掲載された新聞記事も一緒に展示してあります。
・・・・ここは一体、本当に何なんだろう・・・・。


                  

鏝絵(こてえ)とは

  大野城市下大利にある三浦鏝絵美術館。ここの館長であり全作品を手掛けられているのが三浦辰彦さん。
そもそも「鏝絵」は、「こてえ」と読みます。鏝(こて)とはセメント、モルタル、漆喰などの塗材を塗るときに左官さんが使用する工具です。あの鏝を使い漆喰で立体的に描かれた作品を「鏝絵」といいます。

その歴史は古く、江戸時代から盛んに作られるようになり、静岡県の左官職人で名工と謳われた入江長八が、鏝絵を芸術の域へと昇華させました。戦後、腕利きの左官職人が減少し、一時は幻の技巧とささやかれましたが、近年、建築の分野で再評価が進んでいるのです。


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鏝絵作家の三浦さん

   三浦さんは15歳で左官職人になるべく修行を開始。その後、左官職人として実績を積むなかで、ある時、展覧会で観たフランスの彫刻家ロダンの作品に魅了されました。

もともと美術に興味のあった三浦さんは「自分も作りたい!」と猛烈に興奮。その日から自分の仕事道具である鏝と漆喰を用いて、その情熱の赴くままに創作活動に没頭していきました。

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                            ルーヴル美術館にて


しかし、そうやって始まった鏝絵制作だったのですが、こういう技法で描くことを「鏝絵」と呼ぶことを三浦さんは知りませんでした。そうか、こういうのを鏝絵というのか。気づいたときには工房に作品がしまえないほど溢れかえっていたそうです。

なんとも三浦さんらしいというか、芸術家っぽいというか。そんなエピソードをニコニコとお話してくださったのが三浦さんの奥様。三浦さんの作品の中にも奥様は頻繁に登場します。その優しい微笑と雰囲気はそのまま作品からも感じられ、お二人の仲の良さが伝わってきます。

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                 三浦さんと奥様                                    奥様をモデルにした作品

龍神伝説!?

不思議なお話を聞きました。

数年前、この地域に一ヶ月もの間雨が降らないことがあったそうです。そこで三浦さんは地元であるうきは市の龍神様が祀られた神社へと赴きました。雨乞いの神である龍神様にお願いをし、そこの土地の砂を持ち帰り、その砂を漆喰に混ぜて白く巨大な龍の像を作り上げました。
完成した龍の目に色を入れたその晩、なんと大粒の雨が降りはじめたのです。それからというもの、この地域が雨不足で悩むことは一度もないのだそうです。

なんともおとぎ話のような話ですが、信じるか信じないかは、あなた次第です。


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                美術館入口に立つ龍の像(鼻先にはヒーローの人形?)


伝統をつなぐ、伝える

 鏝絵を始め45年。この伝統工芸を受け継ぐ方は今のところいないのだそうです。
しかし今でも現代鏝絵に対する想いは熱く、左官組合による鏝絵教室を小学校で開催したこともあるそうです。鏝は小学生には大きく、数もあまりないということで用いたのが、バターナイフでした。

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バターナイフで描かれた鏝絵。三浦さんはそこに「これからの現代鏝絵」を見た気がしたんだそうです。カタチはどうであれ、こうやって伝統工芸は現代のカタチで伝承されていくものかもしれません。

最後に三浦さんは、雨を降らせた龍を見上げ、「もっと大きいの作れたとになぁ、作ろうかなぁ」と、まだまだ消えない情熱を静かにほとばしらせていました。

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【 三浦鏝絵美術館 】 大野城市下大利4-7-1   ☎ 092-596-0301   入 場 料:無料   開館時間:「日の出から日の入りまで」
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